ギリシア人の物語 Ⅲ ― 2018/02/10 09:12
『ギリシア人の物語 Ⅲ / 塩野七海』 心の友の死 より抜粋
だが、馬に鞭をくれつづけてもどって着いたときには、ヘーファイスティオンにはすでに息はなかった。友の亡骸にすがって泣き叫ぶアレクサンドロスを、しばらくの間は誰も、どうすることもできないでいた。(略)王の学友仲間は、半狂乱のアレクサンドロスを自室に連れて行くことまではできた。だが、王はその彼らの前で扉を固く閉じてしまう。そしてその後は、食事にも手をつけずに室内にこもってしまった。
キルヒアイス & ラインハルト
塩野七海 1937年生まれ 東京市 学習院大学文学部哲学科
田中芳樹 1952年生まれ 熊本県 学習院大学文学部国文学科
少年時代のアレクサンドロスとヘーファイスティオンの教師であったアリストテレスは、この二人を評して言ったという。一つの心が二つの肉体に分れただけ、と。
アレクサンドロス & ヘーファイスティオン
ちなみに、岩明均の『ヒストリエ』では逆に、一つの肉体が二つの心に分れたことになっている。


最近のコメント