弥勒の定理2010/07/16 12:12

弥勒の定理
弥勒の定理

 釈迦入滅後、兜卒天にて修行中の弥勒菩薩が救済のために降臨するのは五十六億七千万年後とされているが、「弥勒の寿命=4000年」、「兜卒天の1年=360日」、「兜卒天の1日=娑婆世界の4000年」として計算すると五十七億六千万年となることから、これを誤って伝えたのだとする説がある。本来は「遠い未来」の比喩にすぎなかったものが、数字だけ一人歩きしてしまったのであろう。しかし数秘術的なお遊びでいえば、一般に流布している五十六億七千万という数字の方がはるかに面白い。なぜなら、図に示したように 5670000000=9!×5^6 という実にエレガントな記述で表現できるからである。弥勒信仰の盛んだった中国において、意味深長な数(たとえば、「五」は易で天位や帝位を表わしまた五行説にも通ずる、「九」は数の終わりから転じてたくさんの意)を駆使した合成数がこっそりと経典に書き加えられたのでは、などと想像をたくましくしたいところだが、おそらくこれは偶然であろう。